AYNIW TEPO Bass 堀 一也の記憶ブログ

AYNIW TEPOのベース堀 一也によるBlog日記

音楽遍歴を気合いでまとめてみました

どんな音楽聴いて、影響を受けて来たのか?

 

と聞かれる事が増えたので、

答えられるようにまとめておきたいと思います。

 

大きな転機になったアーティストと作品を上げようとリストアップしたところ、40アーティストくらいは最低存在したので一旦諦め、更に15アーティストくらいに個人的な時系列にまとめたものが下記。

 

かなりざっくりなのでこれより絞ることは恐らく不可能だと思う。

 

Enya「Watermark」

高校生の時に出会った。当時地元の友達の影響で聴き始めた、パンク、メロコアオルタナ音楽とは別の所で突如覚醒的に始まったと言えるかもしれない。学校や公園、電車でもいつでもこれを聴きながら空想した。あらゆる場所、自然の中に飛んで行き、そこを自由に浮遊した。今思うと瞑想体験の始まりだったのかもしれない。同時期に久石譲氏のもののけ姫サウンドトラックも良く聴いていた。当時この良さは周りに1人として伝わらなかったので、Enyaを聴く行為は禁じられた遊びのような体験だった。

 

Operation Ivy 「Energy」

これも高校生。地元の友達が好きだったGreendayの影響を受けていた当時、彼らがカバーしていたKnowledgeという曲がOperation Ivyの曲だと知り聴いたところ、どハマりした。

今でも自分がロックに求める衝動が全て詰まっている。後にこのメンバーが始めたRancidもたくさん聴いた。

 

The Cranberries「Everybody Else Is Doing It, So Why Can't We? 」

これも高校生の時。同級生からCDを借りて聴いて衝撃を受けた。Enyaに感じていた深遠なイメージ、浮遊感をバンドでも表現できるんだと教えてくれた最初のバンドかもしれない。名曲”Dreams”のラストに入ってくるコーラスがワールドミュージックにハマるきっかけになったと思う。

 

姫神「神々の詩」

20歳の頃だった思う。これは当時癒し系という括りでシリーズ化されていたコンピ「Feel」に収録されていた曲。友達と奈良県吉野の山奥をドライブしながら聴いて衝撃を受けた。EnyaThe Cranberriesに感じていた土着的な深さを日本の独自性で表現しているのと、縄文語という不思議な語感で歌っている楽しさに感激した。アイデンティティの様な物を意識するきっかけになった。翌日にはメンバー全員に原付で会いに行き、ラジカセでその場で聴かせて俺達が進む道はこれだ、と無駄に熱弁したのを覚えている。ライブも観に行った。

 

Bjork「Selmasongs」

Bjorkが主演の映画 ”Dancer In The Dark”のサウンドトラック。電車が線路をガタンゴトンと鳴らす音が次第に電子ビートに変わって行く手法や工場の機械音にボーカルが乗る興奮。大好きなAKIRAサウンドトラックにもあった声でビートを作ったりするミュージカル的なドキドキ感。音楽の発見・発明が詰まっていてロック的衝動もあり、壮大なスケールとワールドミュージックを感じる作品に当時は雷に打たれた様な感覚だった。そこから急いで過去の作品も聴き漁ったのを覚えている。

 

Radiohead「KID A」

UK音楽好きの友達が発売してすぐ買って自宅に持って来てくれて夜中自宅で爆音で聴いた。BendsとO.K.Computerは既に聴いていたがそこまでハマっていなかったRadiohead

ただこの作品は好き嫌いを超えた衝撃があった。この時の体験は宇宙人に出会うか、未来にタイムスリップするくらいのインパクトがあった気がする。聴いている間は終始放心したが、これはきっと聴き尽くさねばいけない音源になると直感的に思った記憶がある。

 

●D'ANGELO「Voodoo」

上記の2枚もそうだがおそらく2000年という年は自分にとって大きかったのかもしれない。

この作品がブラックミュージックを強烈に意識するきっかけになったことは間違いない。それまでさらっと聴いていたブラックミュージックで体験した事のない種類の浮遊感とミニマリズム、コーラスワーク、ベースが後ろにめちゃくちゃずれるグルーヴの格好良さ。衝撃的な一枚だった。

 

Pink Floyd「Dark Side Of The Moon」と「The Piper at the Gates of Dawn」

当時何をどういう手法で作れば、理想の音楽が作れるのか分からないが手探りで新しい何かをやろうと試みていた20歳の頃、自分のライブを観た地元のライブハウス、奈良ネバーランドのボス岩城氏が薦めてくれたのがきっかけでハマる事に。映像も含め革新的で作品性が高く、完全にバンドで表現がなされているものが1973年に既に世に出ていて、尚且つ大衆性も獲得できている事に驚いた。バンドは曲が短い方が良いという風潮に屈せずやろうと思えたのもPink Floydを聴いてからだったように思う。

 

Sigur Ros「Ágætis byrjun」と「( )」

アイスランドという島国で何か異端的な空気感、情景に究極に寄り添った美しい表現、曲が長く歌詞が造語だったり、音楽をやる人間として思っていた常識の様なものが灰と化した作品。そして自分の浅はかさも痛感した記憶がある。Sonic Youthが出すノイズとはまた別の電子的なノイズの良さをSigur Rosには教えてもらったかもしれない。EPからコンピ、シングルまで買い漁ったアーティスト。Mumなどにも出会うきっかけになった。

 

Brian Eno「Another Green World」「Ambient1」「Ambient2」

上記で味わって来た感情的な哀愁を伴った空気感とは別の気持ちの良さ、感情を蒸留したその湯気のような、それでいて静かに感動できる音。

このアンビエント音楽を産んだ人との出会によって、その後シンセサイザーをバンドが多様する上では多大な影響を受けたと言える。特に解析したというわけではないが美里のシンセワークからはBrian Enoを感じる時は多い。

ここから派生して彼のレーベルObscureから出ていた作品やPenguin Cafe OrchestraHarold Buddなどにも出会った。

 

●CAN「Tago Mago」

ドイツとの出会い。クラウトロックへの入り口になった。当初は好きなバンドが皆影響を受けているというのがきっかけで聴き始めた気がする。しかもボーカルはダモ鈴木氏、日本人という衝撃。ライブの映像を見ると曲が音源と全く違う。歌も含めてライブが即興という、更に常識を覆された体験だった。ただ内容は作品性も高く、感性を深く刺激する肉体性と精神性を両方兼ね備えていて感動する。そこから同国のNEU!やCluster、その合併バンドHarmoniaなどを聴いてドイツに強烈な憧れを持つようになった。

 

The DoorsThe Doors」と「Strange Days」

最も好きなロックバンドと聴かれたら、上にあげたCANとThe Doors。あとSonic Youthと答えるかもしれない。

即興性もあって、作品性も高い。オルガンの世界観が堪らない。歌詞も脳味噌を掻き立てる。

俺が奈良ネバーランドのマンスリーでコラムを書いていた時はStrange Daysの邦題である、まぼろしの世界というタイトルだった。

 

Fela Kuti ※作品が多過ぎて記憶なし

アフリカ音楽への入り口は間違いなくFela Kuti & The Africa 70だろう。拍子が違うパートが重なって反復されるリズムに政治的な歌詞で歌ったり踊ったり。

トニーアレンのドラムの音色や、ベースフレーズ、ポリリズムに憧れるきっかけになった。

 

●Kasai Allstars「In the 7th Moon, the Chief Turned Into a Swimming Fish and Ate the Head of His Enemy by Magic」と「Beware The Fetish」

世界にコンゴの名を轟かせたコンゴトロニクスの別形態。コンゴの音楽家の中でも選りすぐりのメンバーで形成された正にオールスターバンド。上記のFela Kutiのバンドのようにドラムセットは無く、歪んだ電子カリンバエレキギターとパーカッションの応酬。愉快でポップで浮遊感も感じるサウンドには一聴惚れした。広いアフリカの中でもこのコンゴの音楽は最も影響を受けているかもしれない。Bjorkとコラボしたり、TortoiseとツアーもしていたKononoN°1にもハマった。コンゴ以外ではマリやガーナやギニア等の西アフリカに好みのアーティストが多い。

 

●Frank Ocean「Blond」

これはかなり直近、リリースされたのが2016年のことだが、聴いてすぐに雷に打たれたような衝撃があった。人種のボーダーを越えている様でブラックミュージック。それでいてクール、静けさがある。音楽的な影響を受けたという事ではないが、RadioheadのKID Aを聴いた時やPortisheadのDummyを聴いた時に近い、絶対的な新しさ、無重力を体験するような感覚だった。ジャケも含めお気に入りの一枚でもある。

 

f:id:KazuyaHori:20180919120516j:image