AYNIW TEPO Bass 堀 一也の記憶ブログ

AYNIW TEPOのベース堀 一也によるBlog日記

脳が生きている間に①

ちょうど年末辺りからか、

AYNIW TEPOのインスタアカウント(@ayniw.tepo)でレコーディング時のスタジオの様子やメンバーの一コマ動画がアップされているので、懐かしいなぁと思って観ている。

 

曲を作っていた時の雰囲気、誰のフレーズから派生していったとか、どんな楽器を使ってどんなやり取りがあったのかなど、昨日のことのように脳裏に浮かんでくる。

 

AYNIW TEPOの曲作りは長い長い旅なので、果たしてニーズがあるか分からないが、アルバムの曲制作の過程を書き残していこうと思う。

 

ミュージックビデオが現在YouTubeで配信中の ”Snow Mountain” から。

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この曲を最初にスタジオでセッションしたのはおそらく2016年の秋頃。

 

要が6連符の歪んだギターフレーズを弾いていたのに合わせて俺がベース、てっちゃんが太鼓類を使ってフレーズを叩いたのがきっかけだったと思う。

 

所謂アフロビートではなく西アフリカ、ユッスー・ンドゥールやサリフケイタのような大きなうねりのあるグルーヴで仕上げたいと思考錯誤したが、太鼓類を使ってどっしりと重めにするアレンジは悪い意味で田舎臭くなってしまい上手くいかない。そして「要の新曲」という仮タイトルのままお蔵入りになった。

 

そこから一年、ミニアルバムとして作品完成させる予定がフルアルバムにする事が決まり、過去のスタジオセッションを漁っていたところ、この「要の新曲」を見つけて再び挑戦することに。

 

思い切って重い太鼓類を捨てようということになり、アフリカ的なリズムはベースに残してドラムは太鼓だがシンプルな4ビートのフレーズにすると、ギターも自然とそれに合わせて空間的なノイズギターに変わって行った。

 

ちょうどYo La Tengoのようなソフトロックサウンド。そこから更に抽象的なアンビエントギターに要がフレーズを変えたので、ドラムもシンプルなキックの4つ打ちとシェイカーになった。ベースはパーカッシブな聴こえを強めるのにフレーズをミュートしながら弾くようになった。

 

バックトラックの雰囲気が仕上がって来た頃に歌のメロディ原形とコーラスなどの具体的なイメージアイデアを美里が乗せてきて、更にそのイメージに沿ったシンセやピアノがともえと美里によって添えられていった。

 

曲構成を練っていたある時、キックの4つ打ちを808の打ち込み音でやってみたところ面白いアイデアだった。ただ808だと音色が少し違うという事になり、てっちゃんはArturiaのリズムマシンを実機で購入し、他の打ち込み音も含め彼が作り込んでいった。

 

曲は完成したが人間味や暖か味があと少しだけ欲しい。ギタレレのイメージがあったので、MORGスタジオで録音合間にフレーズを考えていた。ギタレレをまともに弾いた事がないので苦戦していると、エンジニアのKC君がサラッと弾いてくれたのでそのまま彼に録音もお願いした。

 

ともえが間奏に入れたいとある時に考えて来たメロディは、逆再生にしたいと直感的に思ったのでやってみると想像以上にハマった。 最初は彼女も普通に歌いたかっただろうが、今では逆再生の方をライブで歌っている。

 

曲の歌詞は美里がイメージと日本語で書いたものをともえが英訳しながらメロディに乗せていった。

 

こうして ”Snow Mountain” が完成した。

https://youtu.be/l1d-poZgvR8