AYNIW TEPO Bass 堀 一也の記憶ブログ

AYNIW TEPOのベース堀 一也によるBlog日記

奈良→舘山寺とROTH BART BARON / 五味岳久

2/8(金)

長崎から奈良へ。

その足でbachoとLOSTAGEのスプリット音源リリース2マンを観に奈良NEVERLANDへ。

 

bachoのライブは素晴らしく、お客さんが求めているもの、バンドが発信しているものが完全一致していて会場はその幸福感で一杯だった。観ていて猛烈にバンドやりたいってなった。やってるけど。熱くさせながら後味は清々しい、そんな気持ちの良いバンドだった。

 

2/9(土)

AYNIW TEPO新体制4人での初スタジオ。

新曲の制作。4人ではまた色々と勝手が違う。要がシンセを弾いたり、俺もモジュラーシンセ触ったり。

 

家で打ち込んでいったリズムパターンやらその場で出てきたネタを元にセッションし、3曲程マテリアルが出来た。今は完成披露した時の皆の驚く顔を想像している。

 

夜は親戚が厨房を務める焼肉屋「なら八」で肉を焼きながら今年の動き、バンドの会計、次作品のアイデア、制作のスケジュールなどミーティング。

 

2/10(日)

静岡は浜名湖近くにある舘山寺(かんざんじ)にてROTH BART BARONのリリースツアー、五味岳久の弾き語りもあるって事で、岳久にスタッフ同行させて貰った。

f:id:KazuyaHori:20190212110418j:image

舘山寺は住職がモッズ好きで、ターゲットマークの入ったお守りが売っているというなんとも粋なお寺だった。ポールウェラーが実際に来た時の写真も飾っていた。

 

ロケーションは勿論良くて、音の鳴りも歴史に染み込む様で素晴らしかった。そして岳久の弾き語りも場所の影響あってなのか、いつにも増して丁寧な演奏と歌だった。とても良かった。

 

続いてROTH BART BARON。

f:id:KazuyaHori:20190212111650j:image

彼らのツアースケジュールを観ていてこの静岡公演がラストで一区切り、ってことでどうしてもリリース直後に共演して観たライブの行く末が観たかった。突然の再会をメンバーも喜んでくれた。

 

ライブはたっぷり1時間半。

サポートメンバーも入って6人編成。ホーンやパーカッション、オルガンや太鼓も入った豪華なセットだったが、細部まで作り込まれた無駄のない音色やアレンジで、歌やコーラスが強く、シンプルな音楽本来の自力も感じる完璧な流れ、ライブだったと思う。良い刺激を貰った。

 

打ち上げは舘山寺のふもとにあるお店で、鰻やらカキなんかを皆でいただきつつ一杯、とはいかずいつも通りに呑み過ぎた。

 

2/11(月)

起床。泊めてもらったイベンタージミー宅で水圧の強いシャワーを浴びた後、イベントにも出店していたカレー名店 ”R食堂” の実店舗へ。15周年を迎えられるとのことで、途中花屋に寄って贈り物の植物を購入。

 

カレーも出店の時とは違った、スープの様なカレーで美味だった。季節のラッシーや、甘酒を使ったイチゴのスムージーまで、どれもカレーの味に似合ったメニュー。

店内では趣味の良いプレイリストが流れていて、総じてとても心地の良い空間だった。

 

そこから渋滞を乗り越え奈良へ戻り、その足でまたAYNIW TEPOのスタジオ作業へ。

新しい2曲分のマテリアルと前回のセッションを拡げてアレンジを少し。

 

 

タイトな数日間だった。

音楽、寺、地元、食事、人間と場所を中心に感情や想像力が繋がっていくその様に、今回もたくさんインスピレーションを得た。

 

自分の生活にもフィードバックしたい。

世話になった皆さん、ありがとう。

 

装いも新たに

AYNIW TEPO4人になり最初のスタジオ作業の為、奈良へ。

 

新たな機材も導入したり。

 

2年前くらいから少しずつシンセサイザーの元祖モジュラーシンセに魅せられて来た。

 

今まで使っていたシンセサイザーは元々何種類か作られて内臓されている音色を選んでそこからをいじって変化させていく半分アナログなタイプだったが、

 

モジュラーシンセは回路(モジュラー)を組み合わせて元の電気信号から音色を作っていくアナログ感が醍醐味だ。

 

そしてこのモジュラーシンセを自分の制作にも反映したい、そう思い立ち現在は構造を勉強中。

 

楽しい。

 

長崎の音楽クルー田川氏から譲り受けた、

この使い勝手の良いセミモジュラーシンセ、MoogのMOTHER-32を出発点に回路を増やして行こうと思う。

f:id:KazuyaHori:20190208113424j:image

音色を作る為の基本的な回路(VCO、EG、VCF、VCA、LFO)があらかじめ一つに組み合わされていて、それを右側のパッチで信号の流れる回路を切り替えたりして音色に変化を加えるタイプ。

 

おそらく最終的には増えてこういう事になって行くだろう。

f:id:KazuyaHori:20190208015643j:image

(画像は東北工業大学から拝借)

 

地元に早く帰りたい。

今夜はLOSTAGEとbachoの2マンに遊びに行こうかな。

 

2月4日(月曜日)

抜け殻になり、1週間を過ごした。

 

映画をジェイソン ステイサムを中心に10本程度、同僚に薦められた海外ドラマ「West World」を制覇したり、お酒を呑み過ぎたり、温泉に行ったり、走ったり、筋トレしたりしながら。

 

『Beautiful Vibrations』制作に全てを費やした後は、もしかすると暫くは感性も枯れ果ててしまうかもしれないと思っていた。

 

が、意外にそんな事はなく、今後のバンドの音やイメージや自分の生活の事、靄がかっていた物事はこの1週間でハッキリと見通せる状態になった。

 

リラックスする時間が大切だ。

 

2月以降4月くらいまでライブのオファーはたくさん貰っていたが、4人体制には3ヵ月くらいは準備が必要という判断で残念だが断らせて頂いた。

 

また次の段階が見えれば告知したいと思う。

 

不思議とやりたい事が溢れて来る時はどんどん後から湧いてくるので何をどの程度捕まえるのか難しい。

 

まず明日は、豆腐となめこと万能ネギの赤だしを作る。

 

ツアーファイナルのあと

ツアーファイナル心斎橋Pangeaを終えて。

f:id:KazuyaHori:20190128235049j:image

音楽を通じて味わいたい気持ちの全てがあの日Pangeaに凝縮されていた。

足を運んでくれた人はきっと感じてくれていたと思う。

 

何者も境目なく音を使って遊ぶ。

ほかに何もいらない。

 

the sankhwa

Oorutaichi

TAMTAM

AYNIW TEPO

 

皆の素晴らしいライブとDJで高揚感はクローズの時まで丁寧に繋がって行った。

 

まだ明日も生きていたい、まだ皆と音で遊んでいたい。

f:id:KazuyaHori:20190129000123j:image

2019.1.26 心斎橋Pangea セットリスト

1. Snow Mountain

2. Regal Song

3. Yan-Yan

4. Interlude

5. Reminder

6. Family Train

7. A Seed's Story

8. Ivy

9. Beautiful Vibrations

encore

10. Gingko

11. Surfin'

f:id:KazuyaHori:20190129011501j:image

 

”Beautiful Vibrations 2018-2019”

8本とそこまで多くはないが、今回のツアーはどの公演も記憶に強く残っている。

 

次の山を登り、また近いうちに会いに行きたい。

 

今はあまりに長い時間を過ごしたメンバーのともえが確かに離脱し4人になる、という現実を受け入れる、まずここから始める必要がありそうだ。

 

寂しい気持ちは勿論あるが、

AYNIW TEPOの感性が次に溢れているのでそれをキャッチしに行こうと思う。

 

次の山を登ろう。

 

 

美しき岡山と広島

ライブの日の、あの空気を言葉に変換させるのには時間がかかる。

そして俺のボキャブラリーでは乏しい。

f:id:KazuyaHori:20190122182157j:image

(岡山にてオープン祝の乾杯音頭を任されるの図)

 

リリースツアー岡山編、広島編2Days。

 

初日の岡山。

会場である土屋研究所(ひじラボ)は正にこの日をオープン、こけら落としに選んでくれた。

f:id:KazuyaHori:20190123001215j:image

ライブが無くてもゆったりと呑めそうな、雰囲気のあるバーの風貌だった。

 

2019/1/19(sat) 岡山 土屋研究所セットリスト
1. Snow Mountain
2. Regal Song
3. Yan-Yan
4. Interlude
5. Reminder
6. A Seed's Story
7. Family Train
8. Beautiful Vibrations

 

イベントを組んでくれたのは、岡山のバンド ”みをあわつばさ” のボーカルみをさん。

f:id:KazuyaHori:20190122175645j:image

みをあわつばさは男女ツインボーカルとドラムのスリーピース。2人ともソウルフルな極上の歌声。そのブラックミュージック感がありつつ爽やかさも感じるポップスは感情的でもあってグッと来る。

 

共演は

みをあわつばさ

オハナバタケヒアー

土屋雄太(店主)

 

オハナバタケヒアーもこれまたみをさんがボーカルを務めるオーガニックなポップロック感のあるツインボーカルバンド。また良い男性ボーカルだった。

f:id:KazuyaHori:20190122180641j:image

そしてイベント冒頭に土屋研究所の店主である土屋雄太君の弾き語り。

f:id:KazuyaHori:20190122181403j:image

お客さんも終始お祝いムードで楽しそうだった。AYNIW TEPOも暖かく迎えてくれて、アルバムレコードやCD達も旅立って行った。

 

岡山は気の合う連中が多いみたいで打ち上げまで楽しませて頂いた。

土屋研究所(ひじラボ)の未来が長く開けて行く事を心から祈っている。

f:id:KazuyaHori:20190123014235j:image

 

その夜は岡山に泊まり、翌日は倉敷の美観地区をゆっくり見物した後広島へ移動。

f:id:KazuyaHori:20190123020816j:image

 

広島の会場は音楽食堂ONDO。

自身も音楽家でイベンターでもある久保モリソンさんがリリースライブを企画してくれた。

f:id:KazuyaHori:20190123014201j:image

店内はレコードが並んでいてDJ機材も置いてあった。普段は飲食もしながら音楽好きが集まっているのが想像できる素晴らしい空間だった。中古レコードも売っていたので思わずハウスの盤を4枚程購入。

 

音もしっかり大きく出せるお店で驚いた。

 

2019/1/20(sun)広島 音楽食堂ONDOセットリスト

1. Snow Mountain

2. Regal Song

3. Yan-Yan

4. Interlude

5. Reminder

6. Family Train

7. A Seed's Story

8. Ivy

9. Beautiful Vibrations

encore

Surfin'

 

共演は

ドックフード買い太郎BAND

馬だらけ

カサガミ

 

ドックフード買い太郎BANDはポップロックだが、すぐに音楽好きと分かるアレンジでひねっていてセンスを感じた。

 

馬だらけは3ピースで複雑なギターサンプリングに合わせて行くバンドで、NEU!などのクラウトロック感を感じる好みの音。ズレや不器用な感じも全部アートに感じて観ていて楽しかった。

 

カサガミはTom WaitsArab Strapを足して割った様なしゃがれた日本語詞の歌で、終始気だるく暗いフォークサウンド。いつかコラボして欲しいと思ってしまう、好みの音だった。

 

癖の強い共演者揃いで、お客さんもテンション高く、終始俺も興奮する夜だった。

f:id:KazuyaHori:20190123020530j:image

ONDOのお昼間営業の時間にAYNIW TEPOのレコードをかけたいと言ってくれた店主さん含め、たくさんの方がこの日もアルバムを手に取ってくれた。

 

 

早くまたここに戻って来たい。

心からありがとう。

 

京都に愛されたい

丸一日思考は停止させて、

映画パシフィック リム アップライジング、そしてジュラシックワールドの続編のDVDをレンタルして観ていた。

 

感想はさておき、ロボット映画も恐竜映画もしっかり予算をかけて作ってくれることがまず俺にとっては嬉しい。

 

巻き戻って1月12日は、京都三条にあるUrBANGUILDでAYNIW TEPO のアルバムリリースツアー京都編。

f:id:KazuyaHori:20190114202645j:image

(おっさん達の貴重な集合写真)

(nouon×キツネの嫁入り×AYNIW TEPO +スティーヴエトウ)

 

数年前までなかなか京都に馴染んで入っていけなかった頃を思い返すと、今回のアルバムリリース公演が京都で実現していることが本当に嬉しい。企画をしてくれたキツネの嫁入りには感謝しかない。

 

そしてもっと京都に愛されたい。

 

同じくnouonも偶然のタイミングで新譜をリリースされてのツアーということもあり、nouon×AYNIW TEPO W リリースパーティーと銘打って頂いた。実際に当日音を聴くと2バンドとも、キツネの嫁入りも含めて音楽的相性はかなり良かったように思う。

 

ビブラフォン、ピアノ、ギター、ドラムという編成のnouonはオルタナティブなジャズ色も感じる、淡いTortoiseのようなサウンドで個人的にかなり好みだった。4人の演奏は息を呑む集中力と技術の結晶のようで感動した。素晴らしかった。

 

キツネの嫁入りは新曲多めのセットリストだった気がする。その内の新曲1曲がかなり好みだった。勝手にThe DoorsTalking Headsを感じつつオリジナリティが高く、耳にまとわりつく変な曲だった。7インチシングルカット希望。

 

AYNIW TEPO は途中で赤いハットを被ったスティーヴ エトウさんに登場して頂き、ジャンベと電子音で3曲参加して頂いた。

 

2019.1.12 京都UrBANGUILDセットリスト

1. Snow Mountain

2. Regal Song 

3. A Seed's Story

4. Yan-Yan w/Steve Eto

5. Ivy w/Steve Eto

6. Family Train w/Steve Eto

7. Beautiful Vibrations

 

ティーヴさんには奈良、京都と入って頂いて、2本ではあったけれど楽しい時間だった。

MCの助け舟まで出して貰ったり笑

 

他のミュージシャンに入って頂くことがあまりない、というかAYNIW TEPO にとって初めてのゲストがこの方で良かったなと思う。

 

打ち上げでも大切な話を真剣にしてくれたのは嬉しかった。

f:id:KazuyaHori:20190115002806j:image

(女性陣ショットにも軽く溶け込んでいる)

 

AYNIW TEPO 観てくれた人はライブを楽しんでくれているだろうか。フレディ マーキュリーのようにコールアンドレスポンスは無いが、あの音が届いていて欲しい。

 

会場でアルバムを買ってくれる人達を見てきっとそうだと願っている。

 

次回は今週末、岡山と広島へ。

f:id:KazuyaHori:20190115011012j:imagef:id:KazuyaHori:20190115011045j:image

 

 

脳が生きている間に①

ちょうど年末辺りからか、

AYNIW TEPOのインスタアカウント(@ayniw.tepo)でレコーディング時のスタジオの様子やメンバーの一コマ動画がアップされているので、懐かしいなぁと思って観ている。

 

曲を作っていた時の雰囲気、誰のフレーズから派生していったとか、どんな楽器を使ってどんなやり取りがあったのかなど、昨日のことのように脳裏に浮かんでくる。

 

AYNIW TEPOの曲作りは長い長い旅なので、果たしてニーズがあるか分からないが、アルバムの曲制作の過程を書き残していこうと思う。

 

ミュージックビデオが現在YouTubeで配信中の ”Snow Mountain” から。

f:id:KazuyaHori:20190110015641j:image

この曲を最初にスタジオでセッションしたのはおそらく2016年の秋頃。

 

要が6連符の歪んだギターフレーズを弾いていたのに合わせて俺がベース、てっちゃんが太鼓類を使ってフレーズを叩いたのがきっかけだったと思う。

 

所謂アフロビートではなく西アフリカ、ユッスー・ンドゥールやサリフケイタのような大きなうねりのあるグルーヴで仕上げたいと思考錯誤したが、太鼓類を使ってどっしりと重めにするアレンジは悪い意味で田舎臭くなってしまい上手くいかない。そして「要の新曲」という仮タイトルのままお蔵入りになった。

 

そこから一年、ミニアルバムとして作品完成させる予定がフルアルバムにする事が決まり、過去のスタジオセッションを漁っていたところ、この「要の新曲」を見つけて再び挑戦することに。

 

思い切って重い太鼓類を捨てようということになり、アフリカ的なリズムはベースに残してドラムは太鼓だがシンプルな4ビートのフレーズにすると、ギターも自然とそれに合わせて空間的なノイズギターに変わって行った。

 

ちょうどYo La Tengoのようなソフトロックサウンド。そこから更に抽象的なアンビエントギターに要がフレーズを変えたので、ドラムもシンプルなキックの4つ打ちとシェイカーになった。ベースはパーカッシブな聴こえを強めるのにフレーズをミュートしながら弾くようになった。

 

バックトラックの雰囲気が仕上がって来た頃に歌のメロディ原形とコーラスなどの具体的なイメージアイデアを美里が乗せてきて、更にそのイメージに沿ったシンセやピアノがともえと美里によって添えられていった。

 

曲構成を練っていたある時、キックの4つ打ちを808の打ち込み音でやってみたところ面白いアイデアだった。ただ808だと音色が少し違うという事になり、てっちゃんはArturiaのリズムマシンを実機で購入し、他の打ち込み音も含め彼が作り込んでいった。

 

曲は完成したが人間味や暖か味があと少しだけ欲しい。ギタレレのイメージがあったので、MORGスタジオで録音合間にフレーズを考えていた。ギタレレをまともに弾いた事がないので苦戦していると、エンジニアのKC君がサラッと弾いてくれたのでそのまま彼に録音もお願いした。

 

ともえが間奏に入れたいとある時に考えて来たメロディは、逆再生にしたいと直感的に思ったのでやってみると想像以上にハマった。 最初は彼女も普通に歌いたかっただろうが、今では逆再生の方をライブで歌っている。

 

曲の歌詞は美里がイメージと日本語で書いたものをともえが英訳しながらメロディに乗せていった。

 

こうして ”Snow Mountain” が完成した。

https://youtu.be/l1d-poZgvR8